ポレポレ介護タクシーはこのたいへんなコロナ禍の下、満を持して開業いたしました。ただ別に狙ってその時期にしたわけではありませんし、できたら人生はじめてかかわる旅客自動車運送業は、必要以上の心配事をかかえないでのんびりと取り組みたかったと思います。でもコロナ禍だからといって旅客運送のニーズが極端に減るということもないでしょうし、特に介護タクシーを必要とするお客様はさらに困難な状況下でやむにやまれず利用するというケースが増えるのではと推察しています。
案の定と言いますか、予想通りと申しますか、開業とともにコロナ感染を疑われる方からの配車依頼があったりします。道路運送法上では、指定感染症を疑われる場合は、乗車をお断りすることができると書かれています。しかし現実、こちらからは発熱の有無をお聞きするくらいが精いっぱいで、コロナ感染していませんかなどという質問は検査体制が圧倒的に不足している現状ではほとんど愚問といっていいでしょう。その日も呼ばれてお客様を運んだ先がとある大病院、それも夜9時前だったのです。なんでこの時刻に大病院の外来なんだろうと降り際にお聞きしたところ、「コロナの可能性があるので」と言葉を残したまま降りていきました。たぶん行先は救命センターだったのでしょう。一瞬、唖然としましたが、即座に自分がおちいった危機に気が付きました。すぐに自宅に戻って、うがいと手洗い、さらに風呂に入って着ていたものも全部洗濯。車の中もアルコールでしっかり消毒。乗車時間10分程度、後部座席に座っていくつか言葉を交わした程度、お互いにマスク着用。これで濃厚接触者といえるかどうか? わかんないですよね。たぶん保健所の基準からするとちがうのでしょう。でもどこかで書いた通り、濃厚接触者の定義などコロナウィルスの立場からしたらただの絵空事。なんのあてにもなりません。結局、2週間先までのタクシー予約は全部キャンセルにしてもらいました。手伝いに行っているデイサービスも事情を話して当番をはずしてもらいました。さらに最近ネット上で話題になっている郵送PCR検査の実施もとりいれることにしました。今週からはじめます。
コロナ、たいへんですけど、この経験はきっと将来に生かされるでしょう。感染症を甘く見てはいけないと思います。でも防御一辺倒というものいかがなものかと思います。積極的に検査をしながら日常行動を制約せずに突き進む。万が一、ロシアンルーレットの玉をくらったら、潔く戦線から離脱する。そして危機をみんなで共有してリスクの分散を図る。人間は全知全能の生き物ではないということを心に刻みましょう。
というわけで、ポレポレ介護タクシーは2月13日までは臨時休業いたします。ただそれより早く検査結果で陰性がでれば再開します。
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